「肩透かし」「柔道の透かして反撃」等々、透かす(すかす)には色々な意味や使い方がありますが、造園用語にも
「透かす」があります。
この「透かす」と言う言葉は
15世紀の中頃、室町時代を代表する作庭書「山水並野形図」には、剪定を意味する「すかす」の語が使われており、
庭木の手入れ・剪定の考え方などが記されています。
意味としては、中の枝を抜くと言う事です。
解りにくいので、少し詳しく説明すると、剪定の一般的な方法としては両手鋏や、ヘッジトリマー等の機械で表面を任意の形に整えていくのは良く見られてると思います。
ただ、これだけで終わってしまうと、表面だけ切っている状態で、その中では年々枝が伸びて詰ります。
詰まる事によって枝が細分化され、花が沢山咲いたり徒長枝が減ったり良いことが有ります。
ですが反面、中の光が当たらない暗い部分の枝葉が枯れたり、
風も抜けない為、菌や虫が付き、住みやすい状態になります。
そこで、適度にその枝葉を抜き透かす事で、風通しを良くして
虫や菌を付きにくい状態にする剪定です。
また、中に光が入る事で、幹に近い場所での発芽を促し、それらを成長させる事で、既存の太い枝を外す下準備として行う事もあります。
この剪定は本来かなり手間がかかるので、作業時間や樹種や植わっている場所を考慮して行っておりまが、綺麗に透けて青空が見える様は、それはそれは、それだけで気持ち良いですね。